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★津軽三味線『藤秋会』家元★加藤訓の公式ブログ 2009年10月16日
昨日、久しぶりに五木ひろしさんにお目にかかった。

来月行われる五木ひろし御園座公演の三味線シーンの稽古を付けさせて頂いた。

普段は近寄りがたい方なのでお顔を見るまでは多少緊張したが笑顔で迎えてくれた。

二年、中が空いたがさすがに勘の良い方で、直ぐに思い出してついて来る。

稽古の時の集中力は凄い。
藤秋会の皆さんにも見せてあげたい。

30日には通し稽古が有るので、あと少し。

いよいよ始まる。

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ある日の事、山田先生が、訓、 淳ちゃん東京に来るから習いに行きなさいと言われた。

えっ?何の事か解らずキョトンとしていると、当時の津軽三味線界で三本の指に数えられると言われた、藤田淳一先生が、函館から東京に住まいを移して、しかも七五三の直ぐ近くに来ると言う。

藤田淳一と言えば、憧れの人で私は先生のテープは殆ど聴いていて、コピーをしようと頑張っても、旋律が複雑過ぎて大変苦労していた。
そんな先生になら是非習ってみたいと二つ返事でお願いした。

数日後、山田先生と旦那さんに連れられて、マンションにお邪魔したが、そのお顔は大変穏やかで、優しく迎えてくれた。

藤田先生の御両親が秋田県人と言う事も有り大変親近感が湧き、そんなご縁も有り先生は私の事を大変可愛がってくれ、休みの日は良く飲みに連れて行ってくれた。

何日かして初めての稽古だったが、当時は譜面などあるはずも無く、しかも手が複雑でほんの少し覚えるのにも大変苦労した。
しかもその日練習した所までしかテープを録ってくれない。

昔はみんなそうだったが、自分が苦労して覚えた物をそんなに簡単には教えない。

一曲仕上がるまでに、随分長くかかったものだ。
しかも譜面が無いのでその都度弾き方が違う。
これには参った。

今は至れり尽くせりだが、簡単に覚えられるものほど忘れるのも速い。
苦労して覚えたものは中々忘れないものだ。
藤田先生の曲は非常に高度だ。繊細でしかもつぼは絶対狂わない。

私が聞いたところに寄ると確か9歳から津軽三味線を始めて中学生の頃には、聴く人を唸らせたと言うから、並の人間では無いのだろう。

しかし私が接しているとそれも納得だった。
先生はとにかく三味線が好きで、一日中三味線を弾いている。
酒を飲んでいても三味線を絶対離さない。

まるで三味線を肴にして酒を飲んでいるようだった。
お陰で私は素晴らしい三味線をこれでもかと言うほど、間近で聞く事が出来た。

『好きこそものの上手成れ』と言うがまさに藤田先生の為に有る言葉だろう。
しかし、ただ好きなだけでは此処まで成らない。

先生と接していて名人と言われても、ひたすら努力を惜しまなかった事を私は知っている。

舞台で曲弾きを演奏して客席から拍手が来ると、これ以上の良い顔は無いと言うくらいの笑顔に成る。
そんな藤田淳一先生も今はいない。

つづく

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