藤秋会本部TOP  藤秋会日本一賞歴  藤秋会海外公演  藤秋会家元とは?  プロ集団IWAKI  藤秋会公演実績  全国藤秋会MAP
★津軽三味線『藤秋会』家元★加藤訓の公式ブログ 2009年08月14日

【前回までのあらすじ】 ⇒前編はこちら
高岡から帰るには二つのルートがあった。
北陸道と五箇山を抜ける東海北陸道。
気が付くと通称お化け街道と呼ばれる東海北陸道に向かっていた。
嫌な予感が現実に・・・・・

車は吸い込まれる様に、城端方面にまっしぐら。

この辺りは富山の穀倉地帯。
岐阜方面から降りて来ると遥か向こうに富山湾を望み、何とも広陵として、のどかな様はまさしく絶景で有る。
城端を過ぎると間もなくトンネルに入るが、このトンネルの長さが半端ではない。

城端で前を行く車がだいぶ降りたので、車の数が極端に少なく成って来た。

長いトンネルを抜けると、五箇山インター。
記憶が違っていなければ、この時は一つ先の白川郷インターまで、通行可能だったような気がする。

とんねる02五箇山を過ぎると又直ぐにトンネル、 10分ほどで白川郷インター。

この先は下道、 国道156号線、 例の、余り走りたくない道だ。

国道に出ると、白川村の川添いを通るが僅か走ると、正面にコンビニ、その手前に信号が有り左に行くとそこから一気に山道に入る。

やがて世界遺産、白川郷を抜け又々山道。

もう前を行く車は二台しかいない。

暫く走ると、やがて御母衣ダムの正面。
発電所が見えてくる。
何とそれまで、心の支えだった前を走っていた車が二台共、その村で、消えてしまった。

前に車がいると何と無く安心感が有るが、
ここでいなくなるとは心配が的中した。

日本髪問題はここからの道。
通称、『お化け街道』は、ここからなのだ。
ダムの手前左に、御母衣旅館が有るが、今の気持ちは此処に泊まりたい心境だ。

しかし、もうジタバタしても始まらない。よし、いざ突入だ。

雨足は更に強く成ってワイパーを最速にしても視界が悪い。
しかも山の上の方から霧が覆いかぶさっている。

既に突撃臨戦体制完了。
聴いていた、CD、津軽三味線名曲集のボリュームを一気にアップ。

御母衣発電所の下を大きく右にカーブ、坂の途中で今度は左にヒアピンカーブ。

右手が山、左にダム湖を見て走る事に成る。

走っているのは、後にも先にも私の車が一台だけだ。

こんな所で故障でもしたらアウトだ。
しかも外は大雨、
おまけに携帯の電波は圏外で、いざと言う時に通話も出来ない。

もしもパンクでもしたら、みすみすお化けの餌食だ。

辺りは勿論、街灯など有るわけは無く、漆黒の闇。
あと少し走るとあの薄気味悪い、古いトンネルだ。

ハイビームの先の、トンネルの入口が、早くこっちにおいでと、手招きしてる様だ。

トンネルを無事通過したと思ったその時。

「ああっ!!」

何か黒い物が右から左に横切った。

慌てて急ブレーキを踏んだので、前のめりに成った身体が、シートベルトに引き戻された。
恐怖
『今のは一体 何だ?』
一瞬身体から血の気が引くのがわかる。

『何かひいたな?』
『何だ?』

恐る恐る土砂降りの雨の中を、傘を差し外に出た。

辺りを見回したが、ライトの視野にそれらしき物は発見出来なかった。

熊にしては小さい。
多分、タヌキか何かだったろう。
ライトに目が眩んで飛び出したと思うが、
場所が場所だけに勘弁して欲しい。

気を取り直しドアを開け、何気なく後部座席にちらっと目をやった瞬間。

「ギャアー!!!」

誰かいる、 それも二人いる。

一瞬腰が抜けそうに成って、思いっきりドアを閉めた。

何だ? 女っぽかったぞ。
暫くして気を取り直し、目をこらして窓越しに中を観察したら、日本髪の女が二人。
日本髪01
『いったい、あれは誰だ?』
『どうして俺の車にいる?』

良く良く見るとなんとそれは、先日、知り合いの床屋から何かの演出で使えるかもと思って貰った、首から上のマネキンだったのだ。
先日貰って、後部座席に置いてたのをすっかり忘れていたのだ。

それにしても、こんなに驚いたのは生まれて初めてだ。

やっとの思いで荘川インターにたどり着き、名古屋まで来たが、
何とも、気持ち悪く、生きた気がしない、後味の悪い、道中だった。

全線開通したお陰で、今はもう通る事も無いが、 真夏の寝苦しく暑い夜、
涼を求めるには、絶好のポイントで有る事を、ご紹介しておこう。

おしまい
 

関連記事