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★津軽三味線『藤秋会』家元★加藤訓の公式ブログ ★津軽三味線「裏技全集」
三味線の糸巻きは実に単純な仕組みで大小二つの穴に糸巻きの径を合わせて止まる仕組み。

故にただくるくる回しても緩んでくるだけ。しっかりと締めておかないと、演奏中にくるくるっと回って演奏が続けられない事がある。


三味線を買った時はしっかりと調整されているので大丈夫だが、次第に摩擦により、糸巻きが少しずつ削れて経が合わなくなり戻る
特に女性は力が弱いので回りやすく、普段見ていると正しい握り方をしてない人が多く見受けられる。



写真上のように糸巻きの細い部分を指で握って回してる方が意外と多く、理論的にもこれでは力が入らない。




コツは指で握らず手の平に糸巻きを載せ、出来るだけ太いところを持って差し込みながら回す。
この時回転させてるつもりでも、ぶら下がるように力を入れて折ってしまう人がいるが、正しく回転させること。


出来る人はそんなこと今更と思うかもしれないが、このようにやってない人が結構多い。これでも戻ってしまう方は、摩擦で糸巻きが減って経が合わなくなっているので、三味線屋さんに調整してもらおう。


象牙の糸巻きは高価で見栄えは良いが黒壇に比べて削れやすく、しっかりと巻く事で消耗を押さえることが出来るので慣れて戴きたい。



三味線が良い音であれば自然と稽古にも力が入るが、ではどうすれば良い音が出るのか?

もちろん本体の材質は言うまでもないが、音に大きく影響するのが駒だ。

駒も水牛や紅木など色々な種類があるが、やっぱり音が良いのは竹材の物。

頭の部分は鼈甲、象牙、舎利などがある。


津軽三味線の場合は、皮を限界まで張り締まった音を出す為には、駒の高さが高すぎると音が締まらないので、2分5厘から2分8厘くらいが良いと思う。
ただし、流派によってはわざと昔らしい音を出す為に、それ以上の高さを使うところもあるのでその限りではない。


単純にカンカンと締まった音が好きな人は低め、わりとボンボンした音が好きな人は高めの駒を使えば良いだろう。
駒が低いと弾きやすくはなるが、ただしあまり低過ぎると『浅鳴りと』言って本来の音が出ないので気をつけたい。


これは特にまだ未熟な人に多いが、3の糸が駒から外れるがどうして?との質問を良く受ける。
主にすくい撥の時に外れるが、原因はすくう時に力が入り過ぎ強く糸が上がり過ぎか、すくう際に撥を外側に上げてしまうので外れるようだ。


ひとつ防止策としては、絵に示したように3の糸の糸道を内側に斜めに溝を切ってあげる。
こうする事により糸が外側に外れ難くなるので試して戴きたい。




ご参考まで。


高い三味線と安い三味線の違いは?
三味線の価値はどこで決まるの?
最近そんな質問をされる事が良くある。



三味線の原材料は色々あるが材質的に最も良く値段も高いのが世界中でインドにしかない紅木(こうき)と言う木。
紅木でも20万円位の物から300万円以上する物まで色々。
正直素人さんには見分ける事は中々難しい。



1番わかりやすいのがトチと言っていわゆる木目(柄)の事を言うが、この木目が全体にどれだけ出ているかで大体値段が決まる。
柄が沢山綺麗に巻いていれば高く柄が無ければ安いと思って戴ければ良い。
ただし柄が全く無くてもある程度値段が高い物もある。
紅木は木でありながら水に沈むぐらい硬い。紅木の中で特別に硬い木は柄が無くても木が硬いので音の伝わり方が良く、良い音が出るし勘減りもしにくいので長く使える。





大分前に中国が家具を作るのにロットでごっそり買って行くので上質の紅木が段々となくなって来たとブログに書いたが、ご覧の様な綺麗にトチの出ている物はメーカーに行っても中々お目にかかれない。
たとえあっても非常に高くて手が出ない。
一種の美術品のようだ。
紅木と言うくらいだから最初は赤っぽい色をしている。
空気に触れて手の油で段々と黒くなり、トチが浮き上がってくる様になると本当に綺麗に見える。



さて皆さんの三味線はどうでしょうか?





昨日は撥の硬さに付いて説明したが、今日は皆さん非常に苦労する糸巻きに付いてお話をしましょう。


糸巻きは差し込む方と受ける側の金具の丸にピッタリと付いてるだけで止まっている非常に簡単な仕組み。
買った時はしっかりと仕込んであるので大丈夫だが、やがて使っているうちに段々と糸巻きが金具との摩擦により減って来て、接着面に隙間が出来て来る。


こうなればやがて止まりが悪くなりクルクル回る様になり、演奏中でも糸巻きが戻ってしまい大変厄介な事になる。
特に女性の方は男性に比べ力が無いので戻りやすい。


1番良いのは職人さんに調整して貰うのがベストだが、ちょっとしたコツを覚えれば自分でも出来ない事はない。
戻る場合は糸巻きが減って金具と糸巻きに遊びが生じるからであり、要はその遊びが無くなる様に紙ヤスリで少しずつ削りながら両方の金具の内側にピッタリフィットする様にすれば良いのだ。



三枚目の写真の様に内側の穴に糸巻きの先端がしっかりと隙間なくフィットしてがたつかなければOK。
勘違いして先だけ削りすぎ、金具の穴の中で糸巻きの先端が遊んでいるようではいけないので削り過ぎない事。



さあ出来るかな?
くれぐれも少しずつ、少しずつ。
削り過ぎない事ですぞ。
これで貴方も今日から職人さんだ!


最近、撥はどれくらいの硬さが良いのか?との質問を良く受ける。


基本的にこれは弾く人の好みの問題だと思うが、単純に撥が硬いと硬い音がするし全く弾力性がないと強く叩いた時に折れてしまう。柔らかければ柔らかい音がするが柔らか過ぎても折れる原因になる。
1の糸は撥が柔らか過ぎれば糸が太いので負けてしまい何となく頼りないペタペタした音になるし、逆に3の糸は撥が硬過ぎるとソフト感が出しにくい。



そこで自分の好みの音を出すには撥の硬さを調整する必要があるが、ここで大事な事は単純に撥の先っぽだけを削らない事。
硬すぎた場合は撥のしなり、すなわち『コシ』を作ってやらなければならない。



写真の撥には削る場所にテープを張り示しているが、テープの方向にそって紙ヤスリをかけてやればコシが出来て柔らかい音になる。紙ヤスリは最初が少し粗目の120番、次に240番、最後に600番の水ペーパーで仕上げれば良いと思う。


三味線で良い音を出すには撥の硬さが大きく左右するので、気に入った音になる様に研究しましょう。
ただし、くれぐれも削り過ぎないように気をつけて下さい。



参考まで。


三味線を弾く為の必需品は撥。
撥は鼈甲を使うが言うまでもなく鼈甲は亀の甲羅。
亀の甲羅は元々丸みがあるので撥を作る際はその丸みを熱を加え真っ直ぐにして撥の形にするが、元々丸い物なので使っていると段々と元に戻ろうと反ってくる。


皆さんも経験があると思うがこうなると非常に使いづらくなる。
さあ、それを直す方法は無いのか?
あるある、それも簡単に出来るのだ。



鼈甲は熱で加工すると言ったが、鍋でお湯を沸騰させ撥をその湯に少しの間浸ければ柔らかくなり反りを手で整えあとは水に浸ければあっという間に元の真っ直ぐな撥に変身!


どうですか?簡単でしょう。
是非試してみて下さい。

三味線を作る材料は紅木(こうき)、黒檀(こくたん)、紫檀(したん)、花梨(かりん)、と主に四種類に別けられるが中でも最も三味線に適していて高級なのが紅木である。
材料にはまず堅さが求められるが、金属の様に堅すぎてもいけない。


20年ほど前、紅木が段々と品薄になって来たので一時、南米の蛇の柄に似た『スネークウッド』日本名(紋紅木)が持て囃されたがこの木は紅木より堅かった。
私も流行りに乗り使ってみたが、結局は音が硬すぎてしっくりこなく一時のブームに終わり今ではほとんど使う人がいなくなった。



全て使ってみてやっぱり紅木に優る物は無いと断言出来る。
紅木は世界中を探してもインドのマドラス地方にしかなく、天然木で植林した木は柔らかくて使えないので当然ながら切ってしまえば段々とその数が減って行く。
中でも高級品と言われる材料はその木目が美しく誰もが憧れるが数が少なく値段も高い。


昔は目にも鮮やかな品が沢山あったが最近は探すのにかなり苦労するし、たとえ有っても値段がめちゃめちゃ高い。
その大きな原因は確かに天然木の為数が減ってる事もあるが、大国中国の台頭。
近年、豊かになった中国の富裕層が高級家具の材料として目を付け、金に糸目を付けず買い占めてしまうのだ。


しかも三味線の材料として良い部分しか買わない日本人とは違い、木っ端も含めて纏めてロットで買ってくれる中国人の方が売り手にすれば良いお客さん。従って日本のメーカーには中々入りづらくなって来たのだ。


真に困った話だが、これも仕方ない事。
高級な三味線をお持ちの方はせいぜい大切にされる様お願いします。



楽器をやる上で1番基本でありながら最も大事なのが音合わせである。
基本的に調絃は自分の耳で合わせるのが理想ではあるが、全く楽器を触った事が無い人や、音程がわからない人に音を合わせなさいと言っても中々簡単な事では無い。



今まで様々な調律機が各メーカーから発売されていたが、ご覧の『KORG』社が出しているクリップ式チューナー『AW-2G』が1番三味線には合っていて、コンパクトで値段も安い。



特にこれが良いのは、周りで色々な音が鳴っていても備え付けた楽器の音だけを拾う事、これは優れ物だ。
しかも舞台上が暗転でもライトが点灯し非常にわかりやすい。



ただしこれはあくまでもチューニング用であり、実際弾いてる時の音が正しいかは自分の耳に頼るしかないのだから、普段から正しい音を掴む様に訓練は怠らない事が大事で、訓練すれば耳は必ず良くなる



機械にだけ頼っているといつまでたっても自分の耳が出来ないのだ。
耳の良い人、音感の良い人は楽器の上達も早いのだ。


ブログに掲載している『絶対弾ける津軽三味線』DVDは今から23年前に発売した物だが、まだまだ売れているようだ。
あまりにも古い物なので、撮影方法がイマイチで滑稽なところもあるが、基本的に指導は当時と大きく変わっていない。
最近色々な方面から問い合わせがある。



昨日は福島県郡山市の佐藤さんと言う方からお電話を戴いて、今まで習った中で1番解りやすいとお誉めの言葉を戴いた。
技術的な事になると中々電話で説明は難しいが、出来る範囲でお答えさせていただくのでDVDで勉強されている皆さんは遠慮なくお問い合わせ戴きたい。


福島県は色々大変ですねとお話をしたら、とにかく風評被害が酷くて大変困っているとの事。
報道等で承知はしていたが、想像以上に被害は深刻の様で一日も早い原発の鎮静化を願いたい。




がんばろう福島! がんばろう東北!

先月の放射線照射糸の話で、ディレクターの山田さんに聞いた話。
放射線はテニスのラケットのガットにも照射されており、照射している物とそうでないものは、全くボールの飛びが違うと言う。

同じ力でも照射している方がはるかに飛ぶので、年輩の非力な方でも楽に打てるとか。


成る程、放射線と言うとレントゲンくらいしか知らなかったが、こんなところにも使われていたとは驚きだ!。ただし値段は照射した方が約、三倍程高いとか。



姫路教室の師範、訓和(さとわ)さんが、駒に小指を乗せた際にしっかり指が安定する方法を以前考えてくれ、ブログでご紹介したが、今回は私が先日紹介した駒がズレない方法をさらに強化。

写真は駒の裏側。
3の糸の方がズレやすいので、凹んだ部分に自転車がパンクした際に使う修理用のゴムを両面テープで貼付けた。
効果は絶大!
ずらそうとしてもびくともしない優れ物。
ゴムなので多少音に影響が有るのではと思いきや、全く問題無し。

駒がズレると音が狂ってしまうので、苦労してる方は是非お試しあれ。
ゴムは自転車屋さんで売っているそう。



さすが訓和さん


先日CBCの収録の打ち合わせの際にディレクターの山田さんに、三味線の糸は何故黄色なのかと聞かれた。


えっ? これは困った。
三味線を始めた時から黄色なのでそんな事は考えた事も無かった。

早速、取引をしているメーカーに電話、社長から直々に聞いたら、う~ん、成る程納得。

三味線の糸は『ウコン』で染めているから黄色い。
そう言われれば、まさしくウコンの色だ!
でもどうしてウコンなのかな??


その理由は防虫の為だと言う。
私もウコンを飲んでいるが、『良薬は口に苦し』でめちゃめちゃ苦くて飲みにくい。
さすがの虫もウコンは苦手の様だ。


これは勉強になったぞお!
早速、受け売りにもかかわらず、得意そうに姫路で質問。
しかし、さすが姫路は年の功!鋭い所を突いて来る。
伊達に長く生きてないんだよなあ。



恐れいりました。




お弟子さんに良く聞かれるのは、どうしたら駒が動かなく成るか?と言う質問。

駒は動くのではなく、結局は小指で動かしてしまってるのが原因だが、対策をここで説明するのは中々難しいので、どうしても動いてしまう方は写真を参照されたい。

駒をセロテープでとめてしまえばそれまでだが、それでは見た目も悪いし余りにも芸が無い。
写真では若干解りにくいと思うが、マッチ棒か爪楊枝をイチミリ位にカットして、駒の下になる様に位置を決め、接着剤で直接皮に固定する。

その上に駒を置けばストッパーに成り駒が動かない。
ただし、余り駒の端に付けると駒に当たってしまい具合が悪いので駒の裏のえぐれ具合を良く確認して接着するようにして戴きたい。



参考まで

テーマ:津軽三味線
ジャンル:音楽




撥の使い方として特殊なのが写真の二通り。

最初は押し撥で打ってすくう。
この撥を使う曲は秋田の三大民謡、本荘追分、秋田荷方節等、

また、後の方は後ろで打ってスクイ、前で打つ、 この撥使いで弾けるのは、じょんから節の旧節、この辺に成ると中々の難曲でそう簡単には弾けないが、味わいも深い。


以上、撥の使い方を分類する事により、色々な曲をそれらに当て嵌めると解りやすい。
藤秋会はこの指導法で数々の実績を残して来た。
それぞれ考え方があるので決してこの限りで無い事は最初にお断りしたが、多少でも参考に成れば有り難い。



おわり

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ジャンル:音楽

昨日の稽古で秋田教室の宮原さん『本荘追分』がどうも上手く出来ないと言う。

以前にもブログで言ったが、秋田民謡の中で最もリズムが難しい曲。
四つの音を繰り返しているだけなので簡単に出来そうだが、単調ゆえに違いが解りにくく、完成度が今一つだ。

しかし、このほんの、ほんの僅かな違いが、音に表すと、極端に違う様に聞こえるのだから厄介だ。

宮原さんの場合、最初の音と二つ目の音の『押し撥』で間が開きすぎるのと、四つ目のスクイ撥の後の溜めが少ない。
この曲は一緒に弾くと出来ている様に聴こえるが、一人で弾くと違いがはっきり解る。
だから難しいのだ。
その違いをしっかり把握して正しい本荘追分を弾いて戴きたい。




貴方の本荘追分は、どんな感じかな???



さて、津軽五大民謡で残った最も知られている曲の津軽じょんから節。


とは言ってもじつは、じょんから節でも、旧節、中節、新旧節、親節と四種類もあって、ここでは3と4の撥の使い方で皆さんが一番聴く機会の多い、じょんから節の新節を弾く事が出来る。

後ろで二つ叩き前で打ってすくうか、すくいの代わりに押し撥を使うかだ。
この撥の使い方で弾ける曲は東北、北海道にはじつに多く、津軽たんと節、南部俵積み唄、りんご節、山形大黒舞、気仙坂、チャグチャグ馬コ、舟漕ぎ流し唄、等々、

またこの使い方ではずんで弾けば、秋田を代表する秋田船方節、秋田おばこ、花笠音頭、真室川音頭等々、


3と4の使い方で東北、北海道の民謡の半分以上が弾けるのだ。



つづく


撥の使い方分類、今日はその2、写真をご覧戴きたい。

津軽五大民謡と言えば、津軽じょんから節、津軽よされ節、津軽小原節、津軽あいや節、津軽三下がりの五曲。


前回は小原節の撥の使い方を説明したが、写真2では、後ろで一つ、前で打って、すくうやり方。
この使い方で、五大民謡のうちの三曲。
よされ、あいや、三下がりが弾ける。

ただし、主に唄の中であって、前奏(前弾き)から全てこれだけで弾ける訳では無いので、誤解無き様に。



つづく

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ジャンル:音楽

今日は加藤流、藤秋会の指導法、撥の使い分けを説明しましょう。

ただし最初にお断りしておくが、ここに掲載するのはあくまでも、加藤訓の理論、解釈であり決して他を否定するものでは無いので、あらかじめ申し上げておく。



津軽三味線を含めた東北、北海道の三味線は撥の使い方で分類すると解りやすい。
私は大まかに三つ、特例を入れても四種類を使い分ければ弾けると考えそれを指導して来た。


津軽三味線と地唄三味線などの最も大きな違いは、津軽は撥を前後に弾き分ける所に特徴が有る。


その撥の使い方でどんな曲が弾けるのかを紹介しながら進めて行こう。


まず一つ目は写真1の使い方。
撥を後ろで一つ、前でひとつ一泊ずつ打つ。
この撥の使い方で弾ける代表的な曲は、津軽小原節、秋田小原節、津軽じょんから節の中節(なかふし)など。後ろ前の音色をしっかりと撥付けで弾き分ける事により、一層の味わいが出る。



続くよ、楽しみにね

テーマ:津軽三味線
ジャンル:音楽
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あれっ!遂に皮が破れた。
これだけ暑ければなあ。
無理矢理納得。
良く鳴ってた三味線なので残念だが、仕方ない。

名古屋の事務所は夏場、24時間空調をつけっぱなしだが、高岡に持って行って、部屋と外部との環境が大幅に違ったのが破れた原因。一昨日の高岡は35度もあった。

昔、秋田のお祭のイベントで野外ステージで弾いていたら、いきなりズボッと胴の中に手が入った。
弾いている私もビックリしたが、見ているお客さんの目が点。
この時期、野外での演奏は要注意だ!

三味線は湿気と暑さが大嫌い。
今年の猛暑はまさしく最悪の条件。
ここまで暑ければお手上げだが、いっその事、冷蔵庫にでもしまっておこうか??


今日の東京も暑いらしい。

津軽五大民謡と言えば、じょんから節、よされ節、三下がり、小原節、あいや節の五つを言うが、一番覚えにくいのが、よされ節。
何処の教室でも苦戦している。

昨日の教室でも、一緒に弾くとそれらしく弾いているが、一人で弾かせると、リズムが上手くとれない。
特に初めに教えた、よされ、よりも今やっているのは手が細かく倍以上難しい。

まず、右手だけでリズムを正確に打てなければ左手のメロディーを乗せても絶対上手く行かない。
先ずはリズムを体で覚える。
よされのリズムは『タンチー、タンチー、タンチー、タンチー』
これがしっかり出来たら、リズムを刻みながらメロディーをイメージし、次に口三味線で合わせてみる。
口で言えない事は出来ない。
ところがこれが中々難しい。

リズムだけをテープにとり、それに合わせて弾くのも勉強になるが、出来れば、きちんと出来る人にリズムだけを刻んで貰い、その動きを見ながら合わせるのが良い。


頭で解っても音にすると弾けないのが、よされ節。
先ずは右手、リズムを徹底的に覚える。
これがポイントだ!!



姫路教室の訓和(さとわ)さんが良いアイデアを出してくれた。
三味線の音を殺す方法として駒に小指を立てて出来るだけ大きな音を出さない様にする技術が有る。

最初は慣れないと中々小指が駒に乗らないし、乗っても力が入って滑り落ちる場合が有る。
そこで、彼は考えました。
写真では解りにくいが、指を乗せる部分に透明のゴムを張ったのだ。

成る程、試してみたらピッタリ、フィットして滑らない。
長い間三味線を弾いているが、流石にこれは気付かなかった。

訓和さん良く考えました。
貴方に全国の津軽三味線愛好者を代表して、アイデア賞、『滑らないで賞』を贈ります。



皆さん是非試してみて下さい。

さて、良く鳴る三味線とはどの様な物なのか?
値段の高い物は当然ながら、安い物よりも音が良くなければ理屈に合わない事になるが、残念ながら必ずしもそうならない事が有る。

それでは鳴る三味線(良い音のする三味線)とはどの様な物なのだろうか?
先ず棹が硬く、胴も硬い物、それに多少高くても少し厚めの良い皮をしっかりと張る事がポイント。
音の善し悪しはトチや金仕込みや、綾杉や象牙にはほとんど影響を受けない。
ただし、トチが有っても硬いのも有るのし、あとは買う人の価値観の問題。

象牙は新しい時は真っ白だが、使い込んで手の脂がついてくると黄色がかって、風格が出てくるし、棹もトチの多く出ている物は使い込んでくると、トチが浮き出て黒光りし、非常に綺麗に成ってきて言わば美術品の様に成る。

私が修業した頃の津軽三味線は太めが好まれたが、余り太い棹は間違いなく鳴らないし、重く成り長時間弾くと疲れるのでお勧め出来ない。
棹の太さは普通、津軽だと面幅(糸を押さえる所)は一寸だが女性の方は九分ハ厘のやや細めのが弾きやすい。
胴も大きな音を出す為に標準より大きくする場合があるが、これも皮を張る面積が広くなり、皮張りが難しくなる。


まあどの様な物を選ぶかはその人の自由だが、高価な物ゆえ後悔しない様、信頼のおける方のアドバイスを受ける事が賢明であろう。


参考まで


昨日東海地区が梅雨入りした。
この時期気をつけなくては成らないのが皮の管理。

皮は湿気が要注意。
特に雨が続いて、翌日からっと晴れたりした日は危ない。
何丁か持っている方は全滅なんて事もありますぞ。
困った事に天気が相手なのでいくら注意しても破れる時は破れる。

さあ、それでは被害を食い止める方法は無いのか?
被害を最小限に食い止めるには、電気代を惜しまず、除湿をしっかりする事が大事。
除湿をすれば破れる確率はかなり低くなる。

皮が破れると表皮だと三万円は飛ぶ。
毎日エアコンで除湿しても、一ヶ月の電気代は微々たるもの。
これから暫く貴方の日課は毎日皮が無事かを確認することになりそうだ。


確認ついでに折角ケースを開けるのだから毎日稽古しては如何だろう?
この季節、思わぬ成果が上がるかもね??

三味線は楽器の中でも非常に高価なので、しょっちゅう買い替えられる物では無い。
正直、三味線はその価格と音の善し悪しは必ずしも比例しないと言う事を理解して頂きたい。
三味線の価格はおおよそ次の様に決まる。

先ず棹のトチ(棹の柄、或は紋様)が多ければ値段が高い。
何故かと言えば、材料の紅木と呼ばれる材木は世界中でインドにしか無く、中でも柄の多い物は少なく、言わば高価な美術品の様な物だと考えれば良い。
数が少ないので当然高くなる。

次に音が直接鳴る胴の部分。
胴は一般に花梨の木を使うが、木の質が良く硬い物、そして音の共鳴を良くする為に中に『綾杉』と言う彫りを施した物は手間が掛かる分高い。

三つ目は『金細』と言って棹が三つに分かれる継ぎ目、ホゾの部分を金仕込みにすること。
これは実際に金を使うし、細工に職人の手間がかかり高くなる。

四つ目は糸巻きの金具の種類、金を使えば高く成るし、糸巻きを『象牙』にすれば、それだけでもかなり高くなるのだ。

つまり、単純に解釈すると、棹にトチが沢山有り、胴は綾杉で、金仕込みで糸巻きが象牙で有れば、ある程度の値段はすると言う事に成るが、素人では棹の価格は全く判断が付かないので非常に難しい。
さあ、それでは失敗しない為にはどうしたら良いのだろうか?



つづく

良い三味線とはどんな三味線を言うのだろうか?
或は適正な三味線価格とは?
三味線を買う時に先ず避けたいのは、全く信頼関係の無い三味線屋さんで、飛び込みで買う事、インターネットも危険。
ただしどちらも全て悪いと言う事では決して無く、良心的な業者もいるので、断言するものではない。

三味線は大変高価な物であって値段もピンキリだが、買う方はその善し悪しが解らないのがほとんどである。
したがってこれはいくらです、こっちはいくらですと言われても、見た目や形は同じなので、素人がその違いを判断する事は出来ないのだ。

何百人も教えていると色々な三味線を目にするが、たいていは実際の価値では無く、これはいくらですと言う『値段』で買っている場合が多く、適正な価格で買っている人が少ない。
この三味線はいくらで買ったのよと言っても、あくまでもその金額を楽器屋に払ったと言う事で有り、実際の適正価格とは程遠い場合もある。

価格の安い三味線(50万円まで)は余り問題ないが、それ以上の物、特に100万を超える物は気をつけたい。
実際気の毒なので本人には言わないが、適正価格の倍以上の値段で買っている人を沢山見て来た。

それではどうしてこんな事が起きるのだろうか??




つづく